粟津のゴッホ

2015年12月22日

B棟1階には認知症を患った方々が入院されています。入院中は体操、歌やイベント等の活動に参加して、日々を過ごされています。絵画(おもに塗り絵)もそれらの活動の一つです。出来上がった作品は病棟の廊下に展示しています。

心和む作品ばかりですが、その中にひときわ異彩を放つ作品が。当院のヴィンセント・ヴァン・ゴッホさん(70歳)の作風は年月を経るとともに、変わっていくのでした。

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これは初期の作品です。一見普通の作品ですが、葉の色の塗り方にのちの作風の片鱗が見て取れます。

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かなり作風が変わってきました。葉のみならず花にも多様な色を使用することによって、自分自身のひまわりを表現しようとしています。寒色を多用しはじめているところが、この時期の特徴と言えます。

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テッセンです。葉や花が持つ本来の色だけではなく、多彩な色を塗り重ねることによって作者の個性が輝き始めました。

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最新の作品、ひまわりです。暖色の赤と寒色の青の極彩色がバランスよく塗り分けられ、作風は違いますが、ゴッホの名作「ひまわり」に勝るとも劣らない作品に仕上がった、というと言いすぎでしょうか(笑)。

作品について病棟長の平中は、

「特徴ある色遣いでとても素晴らしい作品になっていると思います」

作業療法士の蕪城は、

「最初は一般的な塗り方をしておられた。徐々に、いろんな色彩を混ぜて塗られるようになった。」

とコメントしています。

当院のゴッホさんはこれからどのような作品を発表してくれるのでしょうか。作風はこれからも変わっていくのでしょうか。とても楽しみです。